高校生10人、一晩で未知の天体3つ発見
夏休み中の岩手県内の高校生10人が、国立天文台の電波望遠鏡を駆使した観測会で、一晩のうちに未知の天体三つを発見した。
10万~100万年後に星となる「水メーザー天体」で、観測会を主催した「国立天文台水沢VLBI観測所」(岩手県奥州市)は「水メーザー天体はこれまで約1000個が確認されているが、一度に三つも見つけたというケースは聞いたことがない」と、大手柄に驚いている。
観測会は、夏休みの科学研究テーマを提供しようと5~7日に泊まりがけで行われ、釜石、水沢、盛岡一、宮古水産の県立4高校の10人が参加。6日未明、沖縄・石垣島と東京・小笠原村の父島にある電波望遠鏡を遠隔操作し、天の川周辺の60か所を観測中に、天体から出る電波をキャッチした。解析の結果、そのうちの3か所からキャッチした電波が、地球から約6000~1万光年の距離にあるとみられる未知の天体から出ていることが分かった。
水メーザー天体はガスの塊で、同観測所の小林秀行所長によると、世界で毎年10個ほどしか見つからないという。国立天文台は現在、国内4か所の電波望遠鏡を使って銀河系の星の位置や距離などを特定する「天の川の立体地図」の作成計画を進めており、小林所長は「地図は、強力な電波を発する水メーザー天体を座標軸にして作製されるので、高校生たちの発見は、非常に大きな意味を持つ」と評価している。
国立天文台は、発見した新天体の正確な位置や距離などを特定し、来年3月の日本天文学会で発表する予定。観測に参加した県立水沢高2年の千田稜さん(16)は「人類がまだ目にしたことのない天体を見つけたという感動に体が震えた」と興奮を隠せない様子だった。
(2009年8月7日21時34分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20090807-OYT1T00885.htm
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