万葉集にも詠まれた広島県福山市の景勝地・鞆の浦の埋め立て・架橋事業を巡り、計画に反対する住民らが県に埋め立て差し止めを求めた訴訟の判決が10月1日、広島地裁で言い渡される。
鞆の浦に滞在し、映画「崖(がけ)の上のポニョ」の構想を練ったという宮崎駿監督(68)が、判決を前に読売新聞のインタビューに応じ、開発か、景観保護かで揺れる鞆の町への思いを語った。(諏訪智史)
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スタジオジブリの社員旅行で初めて鞆の浦を訪れた時、たまたま泊まったのが崖の上の家だった。(ポニョの制作を前に)その家が気になって、2005年2月から約2か月間、滞在した。
家の窓から海の景色を毎日見ていて、海に色々な表情があることがわかっておもしろかった。鞆の浦に行かなければ、ああいう映画にはならなかったと思う。
埋め立て・架橋事業については、自分なりの考えは持っているけれど、賛成か反対かを主張する気はない。地元の人たちが決めることだと思う。
ただ、過疎化や高齢化が進むことで感じるさみしさを、事業で埋められると考えている人がいれば、それは錯覚だと言いたい。
鞆は、僕が住んでいる埼玉県所沢市よりもお年寄りが住みやすい町だ。僕も含めて、年を取ると、友人は死んでいくし、さみしい思いをいっぱいする。そのさみしさは、橋を架けても、摩天楼を建てても変わらない。じゃあ、橋を架けなければバラ色の未来が広がるかというと、それも違う。
判決が出て、勝った、負けたで何が変わる訳ではないが、もし、景観を守ることが大事だという判断が出れば、日本の法制史上、大事な一歩になると思う。
どういう判決でもしこりは残るだろう。狭い町の中で住民が賛成、反対に分かれていることは損なことだ。橋を架ける、架けないとは違うレベルで知恵を出し合ってほしい。そうすれば、鞆を穏やかで住みやすい町にしていけると思うし、若い人もやがて来るはずだ。
◆鞆の浦の埋め立て・架橋事業◆
沿岸の約2ヘクタールを埋め立て、179メートルの橋などを整備。反対派住民らは2007年4月、埋め立て免許差し止めを求めて提訴。県は08年6月、国に免許を認可申請している。

(2009年9月21日13時02分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090921-OYT1T00071.htm
「波兒的崖岸」擬填海築橋 日本居民興訟為保育
(明報)2009年9月22日 星期二 05:05
【明報專訊】日本 電影《崖上的波兒》中怡人的寧靜崖岸海濱,可能面臨重大變化。現實中為動畫大師宮崎駿帶來靈感的廣島福山市海岸,最近因一項縣政府的開發案,需要填海和起高架橋,激起當地居民反對。
受影響的海岸位於福山市沼隈半島南端的風景名勝「[革][丙]之浦」([革][丙]音tomo,是日語特用漢字,意指射箭時穿戴在左前臂的皮套)。2005年,《崖上的波兒》製作隊曾於當地一個海邊懸崖住了約兩個月,最後將那兒的優美景色融入動畫中,電影中很多畫面背景,就基本上來自[革][丙]之浦。
宮崎駿﹕應由居民決定
但縣政府計劃耗資55億日圓 ,填海約2公頃土地,以興建一座179米長的高架橋、公園和停車場。工程不僅改變海岸線,江戶時代的港灣設施如「常夜燈」和「雁木」等都會被大橋擋著,《崖上的波兒》裏呈現過只有退潮才外露的船舶維修廠也會受破壞。
填海工程引發當地居民強烈反對,興訟阻止工程。宮崎駿向《讀賣新聞》表示,工程進行與否,應由當地居民決定。他認為,若有人因為當地人口老化嚴重,以為藉工程能推動地方發展,便是一個錯誤的想法。
讀賣新聞
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