2009年5月12日星期二

四川緊張 震災から1年…次は新型インフル SARSの教訓生かせるか

四川緊張 震災から1年…次は新型インフル SARSの教訓生かせるか
5月12日7時57分配信 産経新聞



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11日、中国人男性が隔離された成都市伝染病医院で、外来者の体温を測る看護師ら(河崎真澄撮影)(写真:産経新聞)


 【成都(中国四川省)=河崎真澄】中国本土初の新型インフルエンザ感染者が11日に確認された四川省で緊張が走っている。12日に四川大地震から1年を迎える被災地では、衛生状態が万全ではない地域も多く、マスクを買い求める住民が殺到するなど感染拡大におびえている。一方、感染確認された中国人男性(30)が隔離されている成都市伝染病医院には李克強副首相が訪れ、直接見舞う異例のパフォーマンスを見せた。2003年の新型肺炎(SARS)流行を教訓に感染拡大阻止に全力をあげる姿勢を示した。

 成都で米国帰りの中国人男性の新型インフルエンザ感染が確認されたことを受け、中国政府は11日、男性と同じ便に乗り合わせた乗客のうち四川省など21の省・自治区・直轄市で所在が確認された130人以上を隔離し、経過観察を始めた。それ以外の乗客には名乗り出るように呼びかけている。中国当局は国際線だけでなく国内線でも空港検疫を強化するなど本格的に感染拡大防止に乗り出した。

 新華社通信によると、感染確認された男性は11日夕までに体温が下がり、脈拍や血圧も正常で、病状は安定しているという。また同日夕までに、この男性以外に感染が広がっているとの報告はないとしている。

 中国には、02年に広東省で発生したSARSが03年に世界的に大流行し、香港を含め640人以上が死亡した苦い経験がある。SARS発生時に中国では感染情報が隠蔽(いんぺい)され、報道規制も敷かれたため、無防備な住民や旅行客に人から人への感染が爆発的に広がった。

 感染が確認されたその日に李副首相が本人を直接見舞い、隔離先の医療関係者と会ったのも、「SARSの教訓を生かして厳格な防疫態勢を整える」との中国政府のサインを送る必要があったためだ。

 感染者が隔離されている成都市伝染病医院に隣接する成都市第十人民医院に親類の見舞いに訪れたという王雪蓮さん(58)は、「入院中の親類も自分も大地震で被害を受けた。どうして四川にばかり災難が降りかかるのか…」と緊張した表情で話した。省内の被災地では仮設住宅などの衛生環境の悪さに加え、医療設備も不足するなかで感染拡大をどう阻止するかが緊急課題になっている。

 四川省各地では12日の四川大地震1年に合わせて行事が予定されており、李副首相のほか胡錦濤国家主席や各国の大使らも11日、成都入りした。震災復興を急がねばならない時期での、新型インフルエンザ流行の懸念という“ダブルパンチ”に地元は頭を抱えている。

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