携帯トイレ:登山者の環境対策、使ってますか? 利尻山7割、羅臼岳は2割 /北海道
5月13日12時4分配信 毎日新聞
◇個室ブースが普及の鍵
登山者によるし尿で山岳の環境汚染が懸念される中、し尿対策の一つとして注目されている携帯トイレ。だが、地域によって普及に差が出ている。大雪山系や利尻山(1721メートル)などは利用者が多いのに対し、知床半島の羅臼岳(1661メートル)や日高山系などではあまり利用されていない。特に羅臼岳は普及率が約2割にとどまっており、環境省は本格的な登山シーズンを前に、登山者に携帯トイレの利用を呼び掛けている。【山田泰雄】
登山ブームの影響で道内の山岳では登山者が増加しているが、山にトイレがあまりないため、数年前からし尿による環境汚染や悪臭、植生の破壊などが深刻化している。その対策の一つとして最近普及しつつあるのが携帯トイレだ。
利尻山と大雪山系では00年から環境省と地元自治体などが普及に取り組み始め、登山者が使いやすいように登山道に携帯トイレ用の個室の専用ブースを設けている。08年の「山のトイレを考える会」の調査によると、利尻山では、用を足した登山者の71%が携帯トイレを使っていた。
一方、年間約1万人の登山者が訪れる羅臼岳では、環境省や地元自治体などが08年から携帯トイレの利用促進活動を始めた。パンフレットやポスターでの啓発に加え、野営場や宿泊施設などで携帯トイレを販売しているが、利用者は一部にとどまっている。
08年7~8月、羅臼岳の岩尾別登山口で下山者を対象に実施した環境省のアンケート(回答338通)では、3分の2が「羅臼岳での携帯トイレ使用呼び掛けを知っていた」と回答した。ただ、登山中に用を足した人のうち、携帯トイレの使用者はわずか22%。専用ブースがなく利用しづらいのが要因とみられる。
「山のトイレを考える会」事務局の愛甲哲也・北大大学院准教授は「携帯トイレは、登山者自身が手っ取り早く協力できる手段。登山者が携帯トイレを入手しやすいように工夫し、専用ブースを設けることが必要」と指摘している。
5月13日朝刊
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