2009年5月26日星期二

<花鳥図屏風>長谷川等伯の作品と判明 重要文化財級の発見

<花鳥図屏風>長谷川等伯の作品と判明 重要文化財級の発見
5月26日5時0分配信 毎日新聞


長谷川等伯の真筆であることが明らかになった花鳥図屏風を見る関係者ら=大津市の県立琵琶湖文化館で、内林克行撮影


 京都の個人蔵で、大津市の県立琵琶湖文化館に寄託されている花鳥図屏風(びょうぶ)が、安土桃山時代の絵師、長谷川等伯(とうはく)(1539~1610)の真筆であることが分かった。これまで長谷川派の作品とされてきた。現存する等伯作品は大半が文化財指定を受けており、重要文化財級の発見とみられる。【澤木政輝】

 安土桃山時代の絵師、長谷川等伯(とうはく)(1539~1610)の真筆と判明した屏風(びょうぶ)。縦153.7センチ、横349.8センチの「花鳥図屏風」(六曲一隻)で、滋賀県立琵琶湖文化館に寄託されている。全面に金箔(きんぱく)を張った「金碧(きんぺき)画」で、画面左に藤の絡んだ松と滝、右に海棠(かいどう)を描き、花々や7羽の小鳥を配している。

 山本英男・京都国立博物館美術室長の鑑定で、松や海棠の構図▽樹皮や鳥の緻密(ちみつ)な描写▽岩肌の描線--などが等伯の初期作例と酷似しており真筆と断定。本名「信春(のぶはる)」で活躍していた40歳前後の作とみられるという。

 等伯の金碧画ではこれまで、代表作の智積院(ちしゃくいん)障壁画(国宝)が最古例とされており、今回の屏風は唯一の先行例になる。山本室長は「等伯の画歴を考える上で、智積院へのステップとして画期的な作品」と話している。

 屏風は来年2月23日~3月22日に東京国立博物館、同4月10日~5月9日に京都国立博物館で開かれる特別展「長谷川等伯」で公開される。【澤木政輝】

 ◇様式確立の一歩前

 武田恒夫・大阪大名誉教授(日本絵画史)の話 等伯が長谷川派の様式を確立する一歩手前の作品で、絵画史上極めて貴重な発見。智積院障壁画と共通する要素の一方、狩野派的な要素も見られ、大成する過程でさまざまなものを吸収し、必死になって自分を押し出そうとしていることがよく分かる。

 ◇長谷川等伯とは

 豊臣秀吉に重用された安土桃山時代の絵師。1539年、能登国(石川県)七尾に生まれ、仏画・肖像画などを手がけた後、30歳を過ぎて上洛。主流だった狩野派と対抗して一派を立て、ふすま絵などで一世を風靡(ふうび)した。千利休との深い親交でも知られる。代表作は、秀吉が愛児・鶴松(つるまつ)を弔うために建立した祥雲寺の障壁画(現・智積院障壁画)や、「松林図屏風」(東京国立博物館蔵)など。

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最終更新:5月26日5時2分

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